うかつだった。
安心しきっていたあたしがいけなかったのかもしれない。
「もうあの頃には戻れない?」
「俺はお前の何?」
「なんでもないならそんなに優しくするな」
ごめん。ごめんごめんごめん。
誤ってもすむことじゃないのに、ね。
ぐるんと押し倒されて
上着が宙を舞って
あぁ 白い天井
このまま私は 快楽にまた 溺れていくんだろうか
唇をふさがれて
もう何でもいいと思った
「俺はもうどうでもいい?」
「よくない」
「好き?」
「わかんない」
「…」
ゴミ捨て場の猫みたいに
首根っこをつかまれて 追い出された気分
風が冷たい
唇が血の味がする がむしゃらだった、から
少し苦いよ
ねぇ、
ごめんね お願いだから こっち向いて